雲のタネ

雲には凝結核というリンゴのタネみたいなものがある。
そこに水という果肉がくっついて、氷になって膨らんで雲になる。


もくもく。


海の上には塩が、
砂漠の上には土が、
結核になって雲ができているという。


  ●


小さい粒なら、何でも雲のタネになりそうだ。
悪くいわれるのは人間の活動で出てきた凝結核のようで。
煙突からでるススとか、自動車からの排気ガスとか。


雲になって雨が降ってくる。
雲のタネも同時に落ちてくる。


熱帯雨林の上は木々の出す有機物がタネになっているらしい。
雲の凝結核が、まさにタネからできている。


  ●


ちょうどいい大きさのタネが雲をつくる。
人間のつくるものも、自然のつくるものも、
「お、これはいいタネだね」
といって雲はタネを選ばない。


そして雨が降る。


無理がない考えかたで、いつも雲が空に浮かんでいる。
タネがあればあるほど、もくもく、ざーざー、となる。