「悪戯の中に本気を見出してくれ」といった大杉栄

ぎざぎざにしてみようとしたよ

ペイント楽しいなー。単純で軽いからスタコラ、スタコラ作れる。

jpg形式でね、保存するときに面白いことに輪郭がふにゃあ、っとなるから水彩画でいうところの、あれ、「にじみ」みたいな効果が出るんだなあ。それがとても良いんじゃないかなあ。油絵だとメンドクサーな気持ちになるけれど、水彩画ならちょいちょいですし。

ペイント楽しいなー。ピンクピンクなパスモみたいな色合いから、もっと小汚くぎざぎざを増やすとこんな風なものが出力されてくるんだなあ。自由で良いなあ。

この作業無意識で変な色合いとか、さっきのにじみ効果とか重奏してくれて簡単にむちゃくちゃな感覚に陥ることができんだなー。うはははは。ぎざぎざラインということにしてお絵かきしようかなー。とか。

大杉栄っていう悪戯さんの本の装丁がサイケでステキな件

ちょっぴり前に、古本屋じゃないけど古本屋みたいな新刊本屋さんで、棚をうにーって眺めていたら、こんな本を手にとってしまいまして、すごくすごく魅力的な装丁(というかタイポグラフィとかいうヤツかも知れないけど、そんな区分けはどーでもよくて)がグベーンとグベベベと迫ってきて、そんなつもりないのに、買っちゃったんですね。

Wikipediaに載ってる人物だったり、青空文庫で文章が読めたりするのが、この大杉さんっていう髭のおじさん。「悪戯」ってタイトルがなんとも小粋でふるっていまして、おっきくして見てみたくなるよなー。

ナンスカこの字体。オオゴトですぞ。これは。

とりわけ「悪」の「心」の字体がトンデモネーことになっていて、痺れてしまいます。電撃ショックでございます。もうね、この字だけでこの本を買った価値があると言い切ってもいいんじゃないかとさえ思ってしまうほどです。

「悪戯」に引き続きおんなじテンションで、著者の名前がタイポってあって、真ん中には抽象的なサルがヒュージなお面をつかまえているお絵かきが描いてある。大きさは文庫本程度なのにさー、インパクトすごいよこれ。あの、画像じゃ分からないんだけど、表紙の素材がボコボコしたクリーム色の紙で、こんなタオルみたいな触感の文庫本ってのも初めて。いーわー、いーわー、ビンビンくるわー。

ところで、Flickrのボックス付きのヤツまた見つけた

枠が粋なヤツなんだけど。数が少なめも、いいですな。こう、枠のあるとことないとこの間隔に、言葉じゃうまく表現できない感覚がある。

話題はまた大杉栄さんに戻る

こんな本を見っけると大杉栄さんっていう人物がどんな人だったかが、そこまで深くないレベルでいいので、知ってみたいです。「悪戯」をちょいとめくると、こんな写真が載ってました。

なんか、口髭のステッキ持ったマフラー男が両脇を警官みたいなおっさんに拘束されてる。シリアスな感じの場面だと思うのですけど、口髭男のファッションと素っ頓狂な表情が画面を異次元に持っていってしまっているもんだから、「なんじゃこりゃ」気分がジワジワ。

なぜか目次の最後に付記として、この意味不明な写真の説明が載っててですね。ええと。

口絵写真は一九二〇年十二月十日、日本社会主義同盟創立大会講演会場で検束される大杉栄氏(復刻版付記)

ふーん。真ん中の口髭男が当の大杉さんなんだ。まあすんごく「思想」臭ただよう感じ。いわゆる問題児がそのままアナキストに成長して、突っ走ったひとみたいなんです。そんなのはどーでもいーです。結構いい写真だということのほーが大切です。

序に書いてある文章の最後を抜き出してみます。

 僕の生活には余んまり悪戯が多すぎる。どうかすると、悪戯其者が僕の生活のやうにも見える。困ったことだが仕方がない。
 この意味から云へば、この『悪戯』は、僕の自叙伝の一節である。僕等の悪戦苦闘の一記録である。

 悪戯の中に本気を見出してくれ。

[漢字はもっとムツカシイ漢字ですけど、この形で引用しました]。
この箇所とさっきの写真を合わせて、アナキストっていうバイアスをかけると、ほおお、と分かったような気にさせられてしまう。そして再度表紙の個性と「黒色戦線社」という出版社とかに目をやれば、通常の流通経路からはまんず洩れちゃう本なんだろーなーと思い至るんですね。まあいいや。

強烈な臭気をプンプンに漂わせていることが最重要で、こういう存在感のある本って好きで、好きです。

アナキスト大杉栄さんという人を知ることができた記念

信号機をよく見てわたりませう。

テクテク、テク。

大杉栄評論集 (岩波文庫)

大杉栄評論集 (岩波文庫)

老舗どころで岩波文庫とか。他にも沢山、大杉さんを取巻く言説があるみたいなんです。ちびちび知っていこうと思います。