山と台布巾
ここ二日雨が降るなかで生活している。
山並、山際、というのか、空と山との境界線が(稜線)霧がかってて、オボロナ様子。
ジメジメシタ空気に霞んでいく気配なところでありながら、意外とくっきりと稜線は意識することが出来た。
緑色が100種類くらいゆらゆらした感じで、視界に入ってくる、飛び込んでくるように。
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台布巾を絞る。
木の机の表面を、適当に絞ったそれで拭く。
ぐるぐる回すように拭き、最後に一直線に台布巾を滑らせて、木の机の端からそれを抜く。
変なケバケバが木の机に残るのが、なんだか気になる。
そのため、ぐるぐるから、スーッと抜く手順を踏む。
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不思議なもので、拭くと気分がよくなる。
理由というものは見当たらない。
「いい気分だなあ」
となるのである。拭くのはいいですね。
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山が相変わらず、シトシトしすぎずに、窓からこちらをのぞいている。
1000種類の緑色が覗く窓だなあ、と感じながら台布巾を絞ることになる。
こんな毎日が続くことがいい。
手元で、些細な感情に気づくのは、そして、その気がついたということに些細に感激することは、そうできることじゃないな、と。感覚が教えてくれます。
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りんご追分が流れてきた。
なんだか、この今の感じている、些細な何かに共鳴して、いいな。
りんごは緑色から赤色に変化する、変化している。
雨は時として降ることで、りんごは変化する。
りんごは蜜がその表皮に出てくると、手の指先で触るとべとべとする。
水滴も時として表皮にくっつく。
蜜の球、水の球、そんなものがぽつぽちと変化の中で、くっついたりする。