どこかでだれもがいちどは

絶海の孤島

という、どこかでだれもがいちどは聞いた

哀しい

という、どこかでだれもがいちどは感じた

大空を飛ぶ鳥たち

眼球でつかまえた


  ●


そんな、どこでもなく

だれでもなく

いちどもない

なんて、


  ●


タイポグラフィ

という、どこかでだれもがいちどは知った

深海

のことは、まだよくわかっていないのだという

結論

すべては、すべてにいつまでもならない


  ●


一部分を、断片を、フラグメントを

掻き集めた集合体

ちいさなちいさな世界

わたし

歓喜

歓喜

「ここ」に「ここ」があるかと思ったら、

すぐに

「ここ」は「ここ」から逃げて行く


  ●


ピエロ

という、どこかでだれもがいちどは道化た

キャタピラ

という、どこかでだれもがいちどは死んだ

この中に

なにがある


  ●


透明

浸透