音に

聞こえてくる音に耳を澄ます。
普段から多くの音を聴いている。
環境音という、見えないようで見える音。
足音を、ペダルをこぎ出す音を、聴いているようで、どこかに消える音。


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音の持つ感情。

そう、感情によって音が鳴り響くとき、音楽になる。
何であれ、だ。
感情を感じる受け手であっても。
もし主体のない、音であっても。
そう感じたら、音楽になる。


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感じるということ。

それは、とても、人間的な、ことだ。
感じるのはわたしだし、あなたでもある。
はるか彼方と思っていた、死に際に。
戦慄しながらも、いや、すぐ近くにあるかもしれない、と。


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裏腹としての感動、感情。そういった類の。

表:生
裏:死

これが「ひとつ」であり、「ふたつ」でないということ。
そこに音楽が響き渡る。
思い出が誕生する。
おぎゃあ、と産声をあげる。


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音には形がある。

個々人の思い描く色がある。

そして「ひとつ」の絵が生まれ、音楽が紡がれる。
ありがとう。
どうも、ありがとう。


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コーダ。

夢の中へ。